いつも新鮮・いつも親切2018年07月25日

商売とは「売れて・喜ばれて・儲かる」ものだということは、「価値をつくる」の時にお話ししましたが、それとは別に、私の人生と商売の基本としている考え方があります。

それは、「いつも新鮮・いつも親切」ということです。
この言葉については、私はよく話をしていますが、今日は80歳の今だから感じることをお話しようと思います。「いつも新鮮」「いつも親切」どちらの言葉にも、「モノ」としてのことと「人」としてのことの二つの意味があります。

「いつも新鮮」
この言葉の「モノ」としての新鮮さ、それは「できたて、とれたて、つくりたて」ということです。お客様に何かお出しする時には、最高の状態でお届けしないといけないと思うのです。

 そして、「人」としての新鮮さ、これは言い換えると「若々しさ」です。
考え方や行動が前向きで積極的なことです。ここでは、「年齢」は全く関係ありません。
明日は何をしようか、次は何を見ようか・読もうか、今度はどこに行こうか、体が若くて十分に動きのとれる人も、動きが不自由でも関係ないのです。若いのに心が老けている人もいますし、高齢なのに心が若い人もいます。新鮮かどうかは顔を見たらわかります。


「いつも親切」
この言葉の「モノ」としての親切さ、それは「生活をもっと豊かにする提案」です。
これまでにない、新しくて知らないもの、買いやすい売り方(のり1枚・みかん1個売り)など、自分のやることが人の役に立つことを打ち出していけるかどうかです。これをやるためには「何をしたらもっと〇〇〇(便利に・快適に・楽しく・うれしく)なるか」をいつも考えていないとできません。

 「人」としての親切さ、それは「厳しい目で見守り、時には叱ること」です。
「ほめる」ことで人を成長させるのは、一番気持ち良くて順当なことです。しかし、時には「間違い」や「不出来」を指摘して叱らないといけないことがあります。
私は築地にいる時に、おやじさんからはいつも細かいことをいろいろと言われていて、何度も「このくそおやじ」と思っていたことがありました。でも、年をとってきて思うのは「叱り続けるというのは、叱られ続けることよりずっと大変なことだなあ」ということです。あんなに細かく言われ続けて身についたことが、その後の人生の土台になったと、大人になって随分経ってからやっとわかったのです。よく言い続けてくれた、それは私の将来のためには必要だと思ってくれていたからだったと思うのです。
 相手から嫌われるとしても、その人の今後のことを考えたら、言わないといけない、これは年長者の仕事なのかもしれません。ですから、「嫌がられることを承知でいて、自分のことを叱ってくれる人」はとても大切です。

商売徒然 謙虚であること2018年07月20日

この店は自分がよくやっているからお客様が来てくださる、そう思っているとしたら、それは錯覚です。
店は一人でやっているものではありません。いい店というのは、働く人全員が種をまき、店長が水をやり、お客様が花を咲かせてくれるものだからです。

今のあなたのお店はどうでしょうか?
このところ、お客様が多く来てくださったのは、テレビがきっかけかもしれない、それは大変にありがたいことですが、次に来てくださるかどうかは、「あなたの店の品質」次第です。
店全体がきれいになっているか、接客にモレがないか、コーヒーと料理は出来上がりのおいしいものをすぐにお届けしているかどうか、私達がいつもお客様に約束している、いつものことひとつひとつをしっかりとやっているかどうかなのです。

どんなトップ企業でも一瞬のうちにダメになることがあります。それは「うぬぼれ」た瞬間です。
床にゴミがないか、トイレはきれいになっているか、接客する人には笑顔があるか、ひとつひとつの仕事をしっかりやり続けることを忘れてはいけないのです。

いつも、うぬぼれることなく、謙虚な気持ちと姿勢で、努力を続けていきましょう。
一人一人がその思いを持って、店全体もその思いでまとまること、それが「いい店」につながり、「高倉町珈琲」全体を強いブランドに変えていくことになっていくことにつながります。


商売徒然 お客様のご来店2018年07月11日

お客様のご来店を当たり前と思ってはいけません。
いつでも感謝の気持ちを忘れることなく、本当に喜ばれる商売に取り組んでいきましょう。


席が空いているのに、なかなか案内をしない人がいます。
注文をとってほしいのに、自分の作業を優先している人がいます。
できたての料理を、置かれたままにしている人がいます。
一刻も早くお届けしようという気持ちがあるのでしょうか?
お客様のくつろぎのひとときを大切にしようとしているのでしょうか?

最近、このような場面をよく見かけます。それでも、大半のお客様は、不満があっても遠慮して、文句も言わずに我慢して帰られます。

自分達のお店の客数が伸びないのはなぜでしょうか?
自分勝手な価値観で言い訳をせずに、まずは考えてみてください。
自分の中に流されるものはなかったでしょうか?
自分で目標に近づくように努力をしたでしょうか?
そして、お客様への感謝の気持ちを忘れずにいたでしょうか?

今日も、ピカピカのお店に、できたてのおいしいコーヒーと料理、親切な接客を求めて、多くのお客様が高倉町珈琲にわざわざ足を運んでくださっている、このネット全盛の時代、デリバリーがいくらでもあるこの時代に、です。
でも、それは決して「あたりまえ」のことではないのです。
自分の家を出て、車に乗って、自転車に乗って、電車に乗って、歩いて、お店まで来てくださる、そのことに「感謝」してお迎えし、ゆっくりしていただくことが私達の仕事です。

お客様ひとりひとりの笑顔を思い浮かべながら、もう一度自分達の商売の仕方を見直しましょう。そして、お客様の期待にお応えしていくことで、皆で一緒に私達の目指す「お客様に本当に喜ばれる商売」に近づいていきましょう。

商売徒然 (しょうばいつれづれ)

今から20年ほど前の1990年代後半の5年間、私がジョナサンの社長をしている時、毎月「ジョナサンニュース」という社内報に、商売や仕事についての基本となる考え方などを少しずつお店で働く人に語りかけていました。

それを10年前にまとめたものを読み返したところ、今、高倉町珈琲で働く皆さんにそのまま伝えたいことばかりでした。そこで、今の時代に合わせて修正が必要な部分は直して、これから、ひとつずつお話していくことにしました。

20年前経っても変わらないことは変わらないのです。私が築地で教わったことは、60年経ってもやはり変わらないのです。基本は変わらないということを本当に実感しています。

これからお伝えすることは、皆さんで読んで大切にして、仕事や人生に活かして欲しいと思っていることです。どうぞよろしくお願いします。