国内外で多くの山火事が発生しています。
発生原因は様々ですが、これだけの大火事が続いているのに、「屋外で火をつけて燃やす」ことが危ないと思わない行動の結果もあるようで、大変心配です。
それとは別に、住宅火災の死亡事故も多く耳にします。
消防白書によると、火災による死者の死因不明は約4割で残りの5割(全体の50%)が逃げ遅れで、高齢者が多く、死因は一酸化炭素中毒・窒息・火傷の順だそうです。
戦後80年、バラック→長屋→アパート→団地→戸建て・マンションと日本の住宅は激変をしてきました。
木造の長屋やアパートは燃えたらおしまいでしたが、間取りや作りがシンプルだったから、外にさえ出られたら命が助かったことも多かったのではないかと思います。
私は、最近の住宅火災のニュースで当然のように死者が出ていることが気になって仕方ないのです。
何故、一酸化炭素中毒になってしまうのか、現代の住宅素材(外装・内装・壁紙・床材・天板・塗料)は住む人の安全を高めてくれるのでしょうか。家は台風・地震・洪水などの天災や火事などから命を守る場所でなければいけません。
住宅構造や間取りや逃げ口へのつくりは住む人の安全を守ってくれますか?
安心して暮らすことができるでしょうか?
家の形やデザインは、かっこよさだけではなく「安全第一」になっているでしょうか?
食に関わる人は、食べ物でお客様の安全を支えます。
商売というのは、全て同じです。
「利益最優先」で仕事をしてはならないのです。
「儲ける」のではなく、いいものをつくった結果「売れて・喜ばれて・儲かる」のです。
住宅に関わる人は、住む人の安全を支えるために、「住」のマーチャンダイジングを進め、土地開発から交通整備・地盤確認・水光熱整備・街づくり・建材素材・装飾など全てのことについて見直しをして欲しいです。難燃性素材とはいってもガスが発生してしまうのではないか、火事に気がつく造りになっているか、安全に避難できるか、「安全」最優先の家づくりをもっともっと追求するべきだと思います。
赤色3号2025年02月14日
先月、アメリカでは着色料の「赤色3号」の食品使用が禁止されました。
日本では、食品添加物として認可されています。
添加物の利用・輸出入の基準は、国によってまちまちです。
それで思い出したのは、60年前、食料品店をやっていた時の話です。
ひばりが丘の「ことぶき食品」は団地の向かいの小さな商店街の中にありました。
隣は豆腐屋でした。毎朝、早くから豆腐づくりをしていたのですが、ある時から、早起きして豆腐をつくるのをやめてしまったのです。「どうしたの?」と聞くと、「新しい防腐剤ができたから、今日つくったのを明日売ればいいんだ。何日ももつからもう早く起きなくていいんだ。」ということでした。今は「保存料」という言葉を使っていますが、「防腐剤」はまさに「腐らせないためのモノ」でした。
「AF2」は、豆腐や魚肉ソーセージなどの食品添加物として厚生省が1965年に認可し、1974年に認可を取り消しました。
1980年頃、私はある研究会で「西丸震哉」さんという人に会いました。
農林水産省の食料研究所官能検査検査質の初代室長だった人で、AF2を認可した責任者だったそうです。
西丸さんから聞いて強く感じたことがいくつもありました。
・水銀は、体内に入ったら死ぬまで排出することができないので、体に入れてはいけない。
・AF2が認可される前に18歳になった人は、体ができあがっているのでアレルギー体質になりにくい。
・AF2の認可後にわかったこと、AF2は殺菌作用が強すぎて体内の細胞や「善玉菌」まで殺してしまい、病原菌の増殖を防ぐことができなくなり、色々な病気にかかってしまう。私がそれで思ったのは、はここ数十年で「難病」というのが多いこと、それが気になります。
その結果の認可取り消しです。役所というのは「誰かが決めたことは、裁判などで取り上げられない限り、他の人が変えることができない」ものなんだそうです。つまりAF2の認可を他の人が取り消すことが出来ない。だから、強力過ぎることがはっきりした以上、「あれは自分が決めたことだから、自分で認可を取り消す」と、実際に自分で認可を取り消し、数年後に役人を自主退官した人です。私は、その話を聞いた時に「本当に潔い人だ」と思いました。役人でここまで凄い人は他にはいませんでしたし、それ以前に人間としてとても尊敬しました。
知らないものを世の中に送り出す時、その安全性ということへの評価は大変難しいと思います。
ですから、「国が認可していても、『安全』自体がいつどう変わるかわからない」ということを覚えておかないといけません。自分の安全は、最終的には自分で守ることがとても大切です。国に任せることではありません。
そして、私達、食に関わる人は、「食べる人の健康」をいつも基本の基本として持っていないと仕事ができません。そもそも「使う必要があるのか」を再考することが必要です。見栄えの為に、長く持たせるために、余計なものを加えないといけないものを作って売るのか、ということです。
加工品は添加物が必要なこともあるかもしれませんし、AF2に替わる保存料は今も使われています。
でも、「レストラン」では、保存料は不要で料理を完成させることができるのです。
食べる人も、これは自分が食べていいものなのかどうか、自分で決めて食べる時代です。
私達は、その助けとなる、安全なものをお届けして、安心してもらう、とても重要な仕事をしています。
終ることはありません。だから、どんどんやり続けていくのです。
日本では、食品添加物として認可されています。
添加物の利用・輸出入の基準は、国によってまちまちです。
それで思い出したのは、60年前、食料品店をやっていた時の話です。
ひばりが丘の「ことぶき食品」は団地の向かいの小さな商店街の中にありました。
隣は豆腐屋でした。毎朝、早くから豆腐づくりをしていたのですが、ある時から、早起きして豆腐をつくるのをやめてしまったのです。「どうしたの?」と聞くと、「新しい防腐剤ができたから、今日つくったのを明日売ればいいんだ。何日ももつからもう早く起きなくていいんだ。」ということでした。今は「保存料」という言葉を使っていますが、「防腐剤」はまさに「腐らせないためのモノ」でした。
「AF2」は、豆腐や魚肉ソーセージなどの食品添加物として厚生省が1965年に認可し、1974年に認可を取り消しました。
1980年頃、私はある研究会で「西丸震哉」さんという人に会いました。
農林水産省の食料研究所官能検査検査質の初代室長だった人で、AF2を認可した責任者だったそうです。
西丸さんから聞いて強く感じたことがいくつもありました。
・水銀は、体内に入ったら死ぬまで排出することができないので、体に入れてはいけない。
・AF2が認可される前に18歳になった人は、体ができあがっているのでアレルギー体質になりにくい。
・AF2の認可後にわかったこと、AF2は殺菌作用が強すぎて体内の細胞や「善玉菌」まで殺してしまい、病原菌の増殖を防ぐことができなくなり、色々な病気にかかってしまう。私がそれで思ったのは、はここ数十年で「難病」というのが多いこと、それが気になります。
その結果の認可取り消しです。役所というのは「誰かが決めたことは、裁判などで取り上げられない限り、他の人が変えることができない」ものなんだそうです。つまりAF2の認可を他の人が取り消すことが出来ない。だから、強力過ぎることがはっきりした以上、「あれは自分が決めたことだから、自分で認可を取り消す」と、実際に自分で認可を取り消し、数年後に役人を自主退官した人です。私は、その話を聞いた時に「本当に潔い人だ」と思いました。役人でここまで凄い人は他にはいませんでしたし、それ以前に人間としてとても尊敬しました。
知らないものを世の中に送り出す時、その安全性ということへの評価は大変難しいと思います。
ですから、「国が認可していても、『安全』自体がいつどう変わるかわからない」ということを覚えておかないといけません。自分の安全は、最終的には自分で守ることがとても大切です。国に任せることではありません。
そして、私達、食に関わる人は、「食べる人の健康」をいつも基本の基本として持っていないと仕事ができません。そもそも「使う必要があるのか」を再考することが必要です。見栄えの為に、長く持たせるために、余計なものを加えないといけないものを作って売るのか、ということです。
加工品は添加物が必要なこともあるかもしれませんし、AF2に替わる保存料は今も使われています。
でも、「レストラン」では、保存料は不要で料理を完成させることができるのです。
食べる人も、これは自分が食べていいものなのかどうか、自分で決めて食べる時代です。
私達は、その助けとなる、安全なものをお届けして、安心してもらう、とても重要な仕事をしています。
終ることはありません。だから、どんどんやり続けていくのです。
米の話2024年10月21日
「令和の米騒動」などというおかしなことがありました。
店頭から米袋がなくなり、地震への備えをしっかりやろうと、多くの人がバタバタする中、政府は備蓄米を放出しませんでした。これは明らかな間違いです。
「昨年の猛暑で生産量が少ない」「インバウンドの増加で消費が増えた」、一因かもしれませんが、付け足しでねじりだしたような言い訳に聞こえます。
食料自給率が38%程度しかない日本で、唯一の自給率100%なのが「米」です。
その米を日本が大事にしないでどうなるというのでしょうか?
食品の輸入が止まってしまったら、私達は自分達の食を確保できるのでしょうか?
農林水産省の資料では米の一人当りの年間消費量について、1962年は118kg、2022年は50kgとなっていますがこれは加工用や非食品用も含んだ数字、私の感覚では60kgが30kgになったという気がします。
昔、食べるものがなくて、配給をして食べた時代がありました。その頃の国の仕事は「皆に食べさせること」でした。その後、増産・減反など国策として進めた数十年の結果が現状です。今の日本の米は、どんどんおいしくなってきています。今の国の仕事は「食べたいと思うおいしい米をつくること」「安心して食べられる価格で米を売ること」、そしてそれに必要なことを整備していくことです。
先日の薬の話と同じ、国は国民のために仕えるのが仕事です。国民の生活を政治や経済の道具にすることなど、絶対にしてはなりません。
店頭から米袋がなくなり、地震への備えをしっかりやろうと、多くの人がバタバタする中、政府は備蓄米を放出しませんでした。これは明らかな間違いです。
「昨年の猛暑で生産量が少ない」「インバウンドの増加で消費が増えた」、一因かもしれませんが、付け足しでねじりだしたような言い訳に聞こえます。
食料自給率が38%程度しかない日本で、唯一の自給率100%なのが「米」です。
その米を日本が大事にしないでどうなるというのでしょうか?
食品の輸入が止まってしまったら、私達は自分達の食を確保できるのでしょうか?
農林水産省の資料では米の一人当りの年間消費量について、1962年は118kg、2022年は50kgとなっていますがこれは加工用や非食品用も含んだ数字、私の感覚では60kgが30kgになったという気がします。
昔、食べるものがなくて、配給をして食べた時代がありました。その頃の国の仕事は「皆に食べさせること」でした。その後、増産・減反など国策として進めた数十年の結果が現状です。今の日本の米は、どんどんおいしくなってきています。今の国の仕事は「食べたいと思うおいしい米をつくること」「安心して食べられる価格で米を売ること」、そしてそれに必要なことを整備していくことです。
先日の薬の話と同じ、国は国民のために仕えるのが仕事です。国民の生活を政治や経済の道具にすることなど、絶対にしてはなりません。
外食新時代2023年05月19日
先日、うどん店のチェーンが外食の新時代を感じさせる商品を発売しました。
その会社では、3年前の「緊急事態宣言」下では、いち早く「うどん弁当」を発売していました。
それは、外食したいけどできない状況だからその代わりとしての「実用性」のあるものでした。
そして、今回の発売ニュースの中では「外食の役割を今一度見つめ直して、食の感動体験を創造する」ことで、お客様が楽しく・わくわくするテイクアウトを実現させると説明しています。”感動テイクアウト”だそうです。
「楽しい」という言葉を久しぶりに、外食関係の場で聞きました。とてもうれしいことです。
私はこの半世紀50年間、日本の外食の仕事をしてきました。
「外食・内食・中食」という言葉を使っていた時代がありました。家で料理をするのが当り前だった「内食」、店に食べに行くのが「外食」、惣菜等を買って帰って食べるのが「中食」というイメージでした。
その後、ここ数年は、私は「日本の食は、自分で料理をするかしないか」という分け方ではないかと思って言っていた時期がありました。
今回は、海でも山でも車でもどうぞと、食べる場所や場面を選ばない、それで外食の幅が大きく拡がる可能性を感じます。お客様が食を楽しむ、そのためのお手伝いをする、多くのお店がそれを基本とすれば、日本全体が明るく楽しくなると思います。是非、皆で取り組みたいですね。
その会社では、3年前の「緊急事態宣言」下では、いち早く「うどん弁当」を発売していました。
それは、外食したいけどできない状況だからその代わりとしての「実用性」のあるものでした。
そして、今回の発売ニュースの中では「外食の役割を今一度見つめ直して、食の感動体験を創造する」ことで、お客様が楽しく・わくわくするテイクアウトを実現させると説明しています。”感動テイクアウト”だそうです。
「楽しい」という言葉を久しぶりに、外食関係の場で聞きました。とてもうれしいことです。
私はこの半世紀50年間、日本の外食の仕事をしてきました。
「外食・内食・中食」という言葉を使っていた時代がありました。家で料理をするのが当り前だった「内食」、店に食べに行くのが「外食」、惣菜等を買って帰って食べるのが「中食」というイメージでした。
その後、ここ数年は、私は「日本の食は、自分で料理をするかしないか」という分け方ではないかと思って言っていた時期がありました。
今回は、海でも山でも車でもどうぞと、食べる場所や場面を選ばない、それで外食の幅が大きく拡がる可能性を感じます。お客様が食を楽しむ、そのためのお手伝いをする、多くのお店がそれを基本とすれば、日本全体が明るく楽しくなると思います。是非、皆で取り組みたいですね。